いろたし日記

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NY在住者による、ニューヨーク情報をメインとしたブログです。誰かの人生にちょっとだけ色を足すようなブログになれたら。

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【読書】高城剛氏の『多動日記(一)-健康と平和-』で、多動である自分を自己肯定した

はじめに

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高城剛氏の2017年6月発売の新作『多動日記(一)-健康と平和-』を読んだ。彼のミニマリズム、健康(食)への異常なこだわり、移動に対する見解が好きだ。高城氏の他の本も多く読んだが、これまでの彼の本の中でも一番面白かった。感じることも多かったこの書について、紹介したいと思う。

 

 

本の内容・あらすじ

キンドル大ヒットシリーズ「黒本」に続き、
大手出版社から「タイトルも中身も差別的である」という理由から出版を断られた一冊が、ついに電子だけで登場。
大手出版社は「もし、本書を出したいなら、診断書を提出しろ」と高城に迫った。
果たして、どちらが差別的なのだろうか。

いったい、なぜ、高城剛は旅を続けるのか。
自由は、どこにあるのか。
地球を100周した著者がはじめて語る、非線形の21世紀型旅行スタイル。

多動のSNPs(遺伝子)を持ち、日々苦悩する著者の初の旅行日記は、
「真実の世界」を描いているのか? 
それとも「頭のなかだけの出来事」なのか?

現実と非現実が交差する「ポスト真実」時代の旅行記。
紙では出版できなかった、電子ならではの一冊です。

多動日記(一)「健康と平和」680円(Unlimitedは、無料です)

 

差別的・中身に問題ありとされているのに、電子では出版できるのはこの社会の面白いところでもある。多動という単語を使用していたり、飽食消費の時代に一日2食制を唱えていたりするので、 確かに特定の機関や分野の方々には大きな問題となるのであろう。

すでに行った場所の旅日記という新鮮さ

この本は、一般の旅行記と明確に異なる点を持っている。それは、すでに行った場所の旅日記であるという点である。(誤解を恐れずに単語を使用すると)彼が「多動」であるが故に、この本に記された数十都市の旅行記のうち、初めて行く都市の初期衝動の表現などは微塵もない。本書は過去に行ったことのある都市に対する旅日記であり、一つ一つの旅先に対し、過去滞在していた記憶や、そこで見られる文化・歴史を題材に、ストーリー性のある独自論を展開していくのである。それもあって、かなり冷静に(きっと空港では移動式キーボードを取り出し、淡々と)この書を書いたのだろう。そういった意味で、他にはない本になっており、本書は彼の著書の中でもより良書という位置付けになった。

 

異常なこだわりと名言の数々

バスで移動するのはコストがかかるため、アリとキリギリスでも現代であればLCCに乗るであろう、といった、超移動時代に対する異常なこだわりも健在しており安心した。

 

数々の名言も多々あった。詳細に知りたい方は、是非読んでみて欲しい。

 

「多動」である自分を肯定できる

今回真面目に書評を書こうと思うきっかけとなり、心が動かされた「多動」について触れたい。高城剛氏は「多動」であるがゆえ、45分しか集中力が持たないと、本書で述べている。

 

実は私も、発達障害の一歩手前、「多動」であるという自己認識がある。これは特定の機関に診断された訳ではないが、発達障害の児童を対象とする研究者である父親が、研究対象として一度私を選んだことがあり、書籍を書いていることからも伺える。父親の本は読んでいないが、潜在的に自身が多動であるという認識は常にあり、ふと見かけた「多動日記」というタイトルの本書が気になり、手に取ったと言っても過言ではない。

 

多動であることは悪いことではなく、人間の1つの特性である。社会で生きるために試行錯誤した結果、行動として「留まらない」ことが多く、結果「多動」と呼ばれていることについても、考えさせられた。そしてまた、高城氏が多動であると公言し、フットワーク軽く行動している中で感じている思想を読み理解することで、自分を大きく自己肯定できたように思う。

 

おわりに

続編をほのめかす表現で本書は締めくくられていたので、続編を大いに期待したい。冒頭でも述べたように、これまでの彼の本の中でも一番面白かったのは確かなので、高城剛導入本としてもおすすめである。

 

 

高城剛氏が旅に持参している具体的な所有物については、以前、持ち物に対する紹介記事を書いたので、以下を参照されたい。本記事とはテイストが異なり、読書録というよりは、持ち物に対してツッコミを入れていくスタイルで文章を記載している。単純に、彼の現在の持ち物リスト本としておすすめ。

 

www.iroppu.com

 

読書体験は、筆者の行動だけでなく、思想の追体験であることが、この本を読んで大いに感じ取れた。これからも、読書を続け、読書感想文、ゆくゆくは書評としてのアウトプットを続けたい。